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2013.09.13

昨日のブログで…(補足)

 昨日のブログで、~「興味に従って横道にそれてゆく」というスタイルが私の前職である研究者の学びの姿勢とも非常に相通ずる部分があり~と書きましたが、その部分について具体的にお話ししますね。

 

研究室と呼ばれるところでは、普通、月に何度かの割合で「論文紹介」を行います。これは、自分たちが研究している分野でなされた重要な発見について紹介したり、あるいは直接は関係ない内容でも、非常に興味深い(ほかの人も知っていて損にならないであろう)内容について報告したりします。
 

ふつう、論文というのはその最後に「参考文献(英語で言えばreference;リファレンス)」というコーナーが設けられていて、そこで、その論文が参考にした過去の文献を紹介しています。このコーナーで紹介してもらえる回数が多ければ多いほど、その論文は優れた論文である、と考えられます(中には、含む内容が深すぎて、すぐには紹介されず、何年・何十年もたってから紹介され始めるようなスゴイ研究もあります)。
 

ですから、研究者が一つの論文を深く読みたいときには、通常その論文に紹介されている「過去の論文」まで含めて読むことになります(このことを「孫引き」と言います)。さらに、紹介された論文を読んでみると、その一つ一つにも論文が紹介されています。このようなことを無限に繰り返していくと、研究者は文献調べするだけで一生を終えてしまうことになりますので、どこかでケリをつけることになりますが、基本的には一つの文献について紹介したり、詳しく知るには最低5-10の論文を読みこなさないといけません。
 

またその論文に書かれていることを参考にして、新たな実験を行うときもありますので、興味に沿って徹底的に調べる、という姿勢は学生のうちだけではなく、大人になっていろんな仕事をやっていくのに必須の能力となります(研究者だけに当てはまる話ではありません)。

われわれ思考研では、勉強は受験で終わり、ということではなく、どんな職業についても自分の頭で考えられる能力をつけることを目標としていますので、「銀の匙(さじ)」を使った勉強を実践しているわけです。

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