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2013.10.08

ノーベル医学生理学賞

 今週はノーベル賞ウィークですね。昨年はiPS細胞を作製された山中先生が、日本人としては2人目として25年ぶりに受賞されましたね。

 

私がもといた研究の世界では、毎年この季節になると、「もしかしたら今年はあの先生がもらうんちがうか」とか言って、ミーハーな予想を立てたりしていました(笑)。
私のいた、医学・生命科学の世界でもやはり超有名な先生がたくさんおられて、そういう先生と研究セミナーなどの後、いろいろ個人的にお話しをさせていただいて、その方の人となりを知ったりすることが自分自身の研究のモチベーションにつながったりしていましたね。

 


ノーベル賞をもらわれるような(あるいは候補にのぼるような)先生は、聖人君子のようなイメージがあるかもしれませんが、研究という行為はまさに人間の行う行為なので、いろいろな意味で「人間くさい」方が多いです(そういうエピソード(武勇伝?)をうわさでいろいろ聞いたりするのもまた楽しいのですが(笑))。
もっとも昨年、受賞された山中先生は、ラグビーやマラソンといったスポーツもたしなんでおられて、「さわやかな紳士」という感じがしますが。 

 


残念ながら、今年は日本人の方は受賞されずに、細胞内の物質輸送のメカニズムを解明した海外の研究者
3人が選ばれました。
私自身も、研究者時代は「細胞内部の輸送」システムにかかわる研究をしていたので(ただし少し対象が異なるのですが)、そういう分野がノーベル賞に選ばれてうれしい気もしますが、反面、「じゃあ自分のいた分野の研究者はもうおそらく選ばれることはないのだろうなぁ」と思うとさびしい気もします…。

 


小学生にはむつかしいと思いますが、中学生・高校生にはこういう話題を折に触れて話してあげられるような環境が、ごくありふれた教育機関でも実現しないと、日本も本当の意味での「科学立国」にはならないと思いますが、それにはまだまだ遠いというのが実感です。
せめてうちの生徒には、明日の「銀の匙」の授業の中で少しだけでも今回のノーベル賞の内容について話してあげようと思います。彼らがほんの少しだけでも興味を示してくれたら「勝ち」です。
(でも、明日の内容はそうでなくても盛りだくさんだったような気もするなぁ…汗)

今日以降の、物理学賞・化学賞でまた日本人受賞者が出れば、東京オリンピック決定と同様、日本人にとってまた励みになりますね!


http://shikouken.com/ 

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