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テキスト紹介
2024.05.06
フォーカスゴールドは「悪」なのか?❹
むかしの灘校で我々を指導してくださったS先生にしろA先生にしろ、その他の先生にしろ、高校数学をまず一通り学んでいる期間には、いわゆる検定教科書をメインに指導されてました。
ただ確かに教科書だけで進んでいたわけではなく、演習は別のものを使用していましたが・・・それにしても、何か特別に難しいものではなく、4ステップとか先生が作成してくださったプリント(と言っても内容的には4ステップレベル)をひたすら解いていました。そんなに特殊な内容はこなしていません。
でも今の時代、ベースの授業を教科書を使用せずに教科書傍用問題集メインで行なったり、なんなら青チャートで授業をしている…などという、「乱暴」なことをしている学校が多いんですよね。(失礼ながら、今の時代、公立高校でもそんな乱暴なやり方をしています)
思考研では絶対にそんな乱暴なことはしないんです。特にここ5年くらいの生徒さんのキャパシティーを見ていると、昔と同じような負荷をかけても絶対こなせないのに、下手をすると昔より今の方が負荷をかけている部分がチラホラと見えてくるのです。
今回、「フォーカスゴールドは悪なのか?」という過激なタイトルを付けたブログを書いたのですが、本当はフォーカスゴールドには何の罪もありません。むしろ、「よくここまで作りこめたもんだな」と感心することしきりです。
ただそれをストレートに(先生側がうまくチョイスすることもなく)生徒さん側に押し付ける風潮が「悪」なのだと感じるんですね。
つまり、全部まるまま生徒に押し付けるのではなく、うまく指導者側が生徒さんの進捗を把握しながら、レベルに応じて課すことが大切になります。
それがなければまさに「宝の持ち腐れ」になります。
実際には、なかなか学校の先生が数多くいる生徒さん一人一人の実情に合わせて範囲を選定することは難しいでしょうから、生徒さんの側でも課題を刈り込む勇気が必要になりましょうし、それがないと、とある進学校であった「中3・高1・高2で青チャート、高3で白チャート」という笑うに笑えない事態になりかねません。
今の時代、数学なら数学の教科内容の指導だけではなく、このレベルの生徒はこの範囲をきちんとやりなさい、という線引きの方が重要になっているのかもしれませんね。
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2021.10.21
「京大・入試数学 51年の軌跡」
「大学への数学」「中学への算数」を出版している東京出版から、昨年、「東大入試数学 50年の軌跡」という東大数学入試問題過去問を50年分集めた参考書が出版されました(もちろん購入しました)。
その時から、「どうせなら、京大50年分の問題も出して欲しいなぁ~」と思っていたら、今週出版されました!ジャーン!!「京大・入試数学 51年の軌跡」
51年分(!)もの内容ですから、なかなかのボリューム(厚さ)ですね!
実はあるページに、別解を投稿した若き日の私の名前も掲載されております(笑)。
東京出版の「京大入試数学過去問解説集」は折々に購入しておりますので、この本の内結構な割合は元々持っていたのですが、こんな風に51年分をまとめた参考書ですからいつもいつも使うことはないにせよ、まさに「参考(にする)書」として本棚に置いておきたい本ですね。
願わくば、この本を参考にして指導するような大学受験生のたくさん現れんことを・・・!。
2013.09.16
「銀の匙+国語要約Ⅰ」の授業
台風18号の影響で、関西の各地でも甚大な影響が出ているようですね。私の家も昨夜はすごい激しい風雨で、なかなか寝付けませんでした。自然災害の前ではなかなか人間も無力です…。
さて、前のブログでも述べたように、思考研では故橋本武先生(元灘中・高教諭)から分与していただいた「銀の匙研究ノート」を下地にしたオリジナルプリントを使い、「銀の匙(さじ)」を深く読解する学習と、あと「国語要約」の学習を行っています。
前者は、「銀の匙」の世界をゆっくりと味わいながら、そして、文中の語句の意味を調べたり、出てきた言葉を使って短文を作製したり、参考となる事柄を横道にそれながら学んでいったりしています。
こうすることによって、ただ単に点数を取るための勉強ではなく、どこから何を問われても答えを導き出せる「学力の足腰」を鍛え上げていくことを意図しています。
学校での定期テストをきっちり取れることは大切ですが、模擬テストで取れない場合は「真の学力」がついているとは言えません。このようなケースがおこるのは、模擬テストでは、定期テストのように見たことのある文章・問題はそのまま出題されることはないからです。
そのような、「真の実力」がついていない場合は要注意です。
後者の授業では、一定の長さの文章を要約する作業を毎週やってもらっています。「要約」という作業は、「結局、この文章を書いた人は何を言いたいのか?」ということを大局的に理解する能力の向上につながります。
この能力の向上にともない、文章を理解することが格段にたやすくなり、現に「思考研」でも最初のうちはなかなかうまく要約ができなかった生徒さんも力がめきめきついてきていることがわかります。
思考研の授業では、毎週宿題として要約文の課題を与え、それを宿題としてやってきてもらい、次週その問題について解説しながら、適宜添削も行なうという形で授業を行なっています。
前者と後者の授業を一体として行なうことで、生徒の総合的な国語力の飛躍的向上を図ります。国語力はすべての教科の背骨である(最近は、高校生になって国語力のなさのせいで、教科書に何が書いてあるかさえ読み取れない子も増加してきているようです)ことから、国語力の向上のみならず、すべての科目の成績向上につながることが期待できます。